鹿児島で働く新61期のノキ弁が,仕事や法律について考えたことを吐出します。                         有用なアウトプットを生産すべく試行錯誤の日々の記録です。

2009年12月26日土曜日

異業種交流

今夜は「かごんま楽習会」の忘年会でした。
これは今年の春ごろから,鹿児島で有志が集まって
断続的に開催している読書会です。
鹿児島でも知的刺激とモチベーションを維持する場を創ろうと,
mixiでの発起人の呼びかけから始まりまり,
今でもmixiのコミュを通して連絡を取り合っていますが,
リアルにも開かれた緩やかな繋がりです。
固定メンバーは,6,7人というところ。

集合修習の間,勝間和代さんの『7つの法則』の撮影会に出たり,
フォトリーディングの講座を受講したりして,
いわゆるカツマーの活動の活発化を肌で感じていたので,
鹿児島に戻ったら自分でそいういう活動をしたいと思っていました。
そんなタイミングでのお誘いだったので,1も2もなく参加。
仕事の関係で欠席も多いですが,参加するたびにとても刺激を受けます。

普通の異業種交流会だと,立食パーティで名刺交換して終わり,
ということも多いものです。
業種はもちろん興味関心も年齢もバラバラの初対面なのですから,
それも仕方がないと思います。
特に,私のようなマメではないタイプだと,
継続的な関係を構築するのは困難な場合が多いのです。

かんごんま楽習会は,小児科医,PT,社会福祉士,英語教師,主婦など,
色々な業種の方が参加されていますが,
みんなカツマー的な志向を持っており,
情報をGIVEしあう姿勢が自然と生まれています。
また,偶然?メンバーの年齢が近いこともあり,
気軽に話せる雰囲気もいい。

そんな中で,お薦めの本やアプリの紹介,
セミナーの体験談から子育ての話題まで,
普段の生活では聞けない色々な話に触れることができます。
それぞれの仕事の中での工夫や努力する姿勢を感じることで,
自然自分のモチベーションも上がります。

社会人になってから,学生時代のような友人関係を築くことは
なかなかできないものですが,
この会が長く続いていけば,それも可能になるような気がします。
組織もなければ代表者もいない,
自生的な活動の継続がどこまで何を生み出すのか,
そして自分がそこに何をプラスできるのか。

先輩の弁護士達も,ロータリークラブやライオンズクラブ,
ゴルフやテニスなどのスポーツ,
そして何より色々な飲み会を通じて,
異業種との交流をはかってきたのだと思います。
それを私は,こういう形でやっているというだけのことなのかもしれません。

でも,純粋にGIVE×5の精神で異業種と交流できるのは,
こういう場だからこそ,とも思います。
いずれにせよ,仕事に直結はしないけれど,
今後も大切にしていきたい繋がりです。

2009年12月23日水曜日

マインドマップ講座

マインドマップ講座を受講してきました。
講師は矢嶋美由希先生。
去年の11月末,和光の寮を引き払って,
渋谷でフォトリーディングの講座(http://www.photo-reading.jp/)を受講したときに
アシスタントで来てくださっていた方です。
そのとき,「鹿児島でも講座やりますよ」と聞いてはいたのですが,
ホントに再会できるとは。
しかもこのタイミングで。
島に行っちゃったらハードル上がりますからねぇ。

ホント人生って良くできています。
そんなご縁で,帰り際にはコーチングまでお願いすることになりました。
開業まで充実した時間になりそうです。

さて,弁護士でマインドマップを活用しているという人は少数派でしょう。
私自身まだ試行錯誤ですが,これはかなり使えるスキルだと思います。
アイディアをまとめたり,方針決定をしたりするツールとしてはもちろん,
一覧性の高い手控えとしても極めて有効です。
たとえば,尋問事項を一枚のマインドマップにまとめておけば,
裁判員裁判でもスムーズな尋問ができるかと。
先日民事の尋問で試してみましたが,
箇条書きの尋問事項書と違って全体が俯瞰できるので,
その場でフレキシブルな対応が可能です。

今後は,相談の聞き取りにも応用していこうと考えています。
債務整理や離婚など定型化したものはともかく,
一件一件内容の異なる一般民事では威力を発揮するのでは,
と思っています。
また,最後にビジュアルに説明でき,
お土産として持ってかえってもらうのもありかな。

他には,裁判員裁判でのプレゼンに導入できないかと密かに目論んでます。
今のところ,①パワポ,②ホワイトボード主流で,
③大型用紙,④イーゼルなども試行中ですが,
①(とおそらく④も)は情報が消えてしまうこと,②は傍聴席から見えないことが難点,
また,③は大きな紙をめくる苦労があります。
そこで,大きなマインドマップを最初から最後までホワイトボードに掲示しながら,
その他の手法を併用すればなかなか面白いのではないかと。
まぁ,僕が裁判員裁判をやるとしてもずっと先なので,
その前に誰かやっちゃうかもしれないですけど。

ここで,今日から21日間毎日一枚マインドマップを書くことを誓います。
講座が終わったあと,さっそく読書ノートをマインドマップで書きました。
21日続けば,人生は変わる。
とりあえず,自分への御褒美にホワイトメーター買うので,
少なくともコペンは変わる(笑

あなたも変わってみますか?

2009年12月20日日曜日

戦略的転戦

え~,もう1年くらい書いてない気がしてましたが,半年くらいだったんですね。
いやはや,自分の継続力のなさにはあきれてしまいます。

1年目をノキ弁として過ごして来たわけですが,
来春からはシマ弁に転身する予定でおります。
ま,要は離島で開業ってことですが。
開業資金は日弁連から出してもらって,という腹づもりでおります。
まだ正式には決まってないけど,
昨日今日と現地で事務所候補物件を下見したりと,
動き出しつつあります。

ノキ弁からいきなり経営者弁護士=ボス弁(1人事務所だけどこう呼んで良いのか?)というのは,
正直不安もありますが,むしろ現状を脱却するチャンスだと思ってます。
メリットデメリットを分析すると以下の通り。

<現状の問題点>          <シマ弁になった結果>                   
①仕事について指導がない →   ボス=自分だから当然指導者はいない。           
  純粋OJT=独学          しかし,鹿児島を代表して(?)離島に赴任する形なので,
                      今より支援を仰ぎやすい。
②事務職員を使えない    →   自分で好きなだけ雇える。ただし,給与を払う責任。 
③収入が不安定        →   本土より事件はある。最低でも年間所得730万円は保障される。

と,まぁ,仕事とお金という面についていえば,今より悪くなることはないわけですね。
あとは,島の気質と馴染めるかという問題ですが,
これもそこそこ大丈夫ではないかと。
何度か通ってますが,そこまで不便でもなさそうだし。
結局ネット環境さえあれば何とかなるんですよね。
今でもリアルでの買い物はほぼ福岡か大阪か東京だしね。 
住んでみないと分からないところもありますが,
なんせ自然環境は最高だし。 

久しぶりなので,とり急ぎご報告のみ(爆
                      



2009年6月24日水曜日

世代的共感

ご無沙汰です。
相変わらず放置気味で恐縮です(汗
現在営業用HPを準備中で,それとの関係で,
このブログの位置づけも再考する必要があるのですが,
今日はちょっと感じたことを記します。

先刻まで日弁連の研修を受けて来ました。
東京の研修を鹿児島でもライブ中継で受けられるんです。
皆さんお仕事がお忙しかったり,事務所に対する遠慮もあったりで,
あまり受講率が高くないのがもったいないなぁと思います。
僕も最近は仕事に追われてる感はあるものの,
身分は気楽なノキ弁なので興味を持ったらなるべく受講するようにしています。
実際,こういう機会でもないとなかなか勉強できないですし。

午後は下請法の研修で,夕方からは貧困問題がテーマでした。
個人的に,格差・貧困問題には,
修習中から興味を持って色々本を読んだりしてました。
ひとくちに格差・貧困問題と言ってもその範囲は,
婚活から秋葉原事件まで幅広いわけですが,
そこには同時代的リアリティを感じていました。
それは,「他人事じゃない」という感覚。
今までそれほど世代について意識したことはなかったし,
素朴な世代論を展開しているニート論壇の影響を受けているようで,
気恥ずかしい気持ちもしますが,
根底には同時代性の意識があるように思います。

話を本日の研修に戻すと,
下請法の研修はベテランが過半数といった感じでしたが,
貧困問題になると1人を除いて全員同期でした(残りの1人も同い年)。
貧困問題と銘打った時点で,お金にならないと思われるのは当然で,
事務所経営を考えなければならない中堅以上の弁護士が敬遠するのは分かるし,
夕方から夜の時間だと家庭や付き合いを優先する可能性も高いのだとは思います。
それにしても,ここまで偏るのは,やはり世代というか時代というか,
そういう意識の差もやっぱり大きいのではないか,と感じました。

貧困問題に日弁連が目を向けたのは,実は極々最近で,
それまで生活保護の申請に弁護士が関与することなんて,
多分,想定されてなかった。
少なくとも50期以上の先輩方にとって,
それは弁護士の業務領域とは認識されていなかったのではなかろうか。
でも,僕らは湯浅誠や山田昌弘や雨宮処凜の言説が流通した後に弁護士になった。
貧困問題に同世代が関心を持つのは,
大上段のイデオロギーや青臭い理想主義ゆえではなく,
単純にそういう時代に生きているという感覚からだと思う。

おそらく,会場に居た同期達はそんなこと考えてないんだろうけど,
自分としては,ちょっと,嬉しい発見でした。

2009年6月2日火曜日

怒涛の2ヶ月間

最終更新から色々ありました。
備忘録的にテーマだけ。
①犯罪報道とマスコミ
 →弁護人はソースか。
  予断を避ける報道のあり方とは。
②刑法39条の理想と現実。
 →精神障害者と共生は可能か。
③債務整理はどこまで可能か。
  →示談と訴訟
④被告代理人としてなすべきこと,なせること。
 いわゆる負け筋での身の処し方。
⑤利息制限法引直計算を自分でやることの是非。
⑥簡易鑑定,本鑑定,鑑定
⑦欠陥マンション
⑧建物明渡し
⑨精神障害者と権利行使
⑩インターネットマーケティングの可能性
⑪欠陥住宅問題と協業専門家
⑫裁判員制度にどう対応すべきか

学ぶべきことは多すぎる。
⑬被害者参加事件における被告人弁護活動
⑭不貞行為をめぐる諸問題

2009年3月31日火曜日

時間割

なんだか小学生みたいな響きですが,大人にこそ時間割が必要です。
とはいえ,分刻みのスケジュールは逆に集中力を削ぎます。
そこで,一日を4つか5つくらいのセグメントに分けて,
そこで取り組むべきメインタスクを決めます。
★例えば僕の場合
 7:00- 9:00 集中して取り組むべき仕事 ex.訴状,準備書面作成 
 9:00-12:00 人と合う/話す仕事       ex.電話,打合せ,相談,期日
13:00-16:00 比較的単調な事務仕事   ex.定型的な書面作成,調査,発送・提出作業
16:00-18:00 締めくくりの仕事         ex.スケジュールの確認,帳簿付け,このブログ
というのが,理想の時間割。
そもそも突発仕事が多いうえに,朝弱いのでなかなかこの通りには行きませんが,
枠が固まるだけでもだいぶまとまりが出るような気がします。
ひとつのセグメントを50分やって10分休むサイクルで回せば,
自分の仕事の早さに驚くこともしばしば(笑

 結果=仕事の質×仕事の密度×仕事量(鮒谷周史『しごとは掛け算』)

仕事の質が,社会的影響を意味するとすれば,
この掛け算の中で,現状の自分がいちばん上げられるのは密度です。
そのためのタイムマネージメント。
まだまだ試行錯誤ですが,枠は固まってきた気がします。
後は実行あるのみ。

もうひとつ,同書から印象的な言葉を。
毎日前日比0.1%を積み重ねれば,1年後には44%にまで増えるとか。
やるしかないですよね。


2009年3月29日日曜日

Tough Lawyer

調子に乗ってもうひとつ最近感じることを。
現実逃避でもありますが(爆

威張れることではありませんが,
僕は昔からそれほど体力がある方ではありません。
受験中は皇居の周りを走ったりしてましたし,
仕事を始めてからは週1で加圧トレーニングに通ってはいますが,
「体力には自信があります!!」という体育会系なタイプではありません。
でも,仕事をする上での「体力」って,
ちょっと違うもののような気がします

弁護士の仕事にも色々あって,
特に僕のようなノキ弁は細々とした事務処理にも
ある程度時間を取られてしまうのですが,
いちばん体力の消耗を感じるのが法律相談です。
(法廷での尋問も相当しんどいと思いますが,
本格的な尋問はまだ未経験なので。)

たとえば,鹿児島では法律相談センターという制度があって,
弁護士会以外にも県内の市役所やなんかに出張で相談に行きます。
だいたい,30分6コマなので,合計3時間。
それ以外にも,先日は事務所で新件の相談が3件入ったのですが,
それぞれ1時間ちょっとずつで,連続ではないにせよ合計3時間超。
今の自分には,これ以上はちょっとしんどいというのが正直なところ。

でも,修習中にお世話になった奈良事務所のボス弁は,
(おそらく)50代後半にもかかわらず,
連日4件とか5件とか相談を受けてました。
もう,ホントに日中はずっと相談ってくらい。
自分が弁護士として相談を受けるようになって,
その凄さを身をもって感じています。
もちろん,僕とは経験も知識も桁が違うので,
1件1件の消耗度は少ないのでしょうが,それでも凄いと思います。

こういう仕事をする上での「体力」は,
フィジカルなトレーニングだけでは養えないんでしょうね。
フィジカル+メンタル+αなもののような気がしてます。
フルマラソンは走れなくても,弁護士としてタフになりたいものです。

悩ましきかなiPhone

【今回はほとんど思考メモなので,読み飛ばしてください。】

前回Google Calnenderの導入について書きましたが,
これはiPhone導入への布石でもありました。
導入計画は先月から検討してきたもので,
これを実行に移すべく,前回の投稿後softbankショップへ向かいましたが,
結局手ぶらで帰ってきました。
これで都合2回softbankショップへ足を運んでいながら,
自分の中で何かが引っかかって躊躇してしまうのです。

最初はランニングコストがネックだと思っていたのですが,
きちんと調べてその問題は一応クリアしました。
昨年11月から2年契約しているEMOBILEをどうするかについては
まだ検討中ではありますが(auの携帯は今のところ変えるつもりはありません),
これを維持するとしても負担は可能な範囲と考えています。
でも,実際にiPhoneを手に取るとまた何かが引っかかる・・・。

その原因はおそらく,「本当に使えるのか?」という疑念が拭い去れないこと。
3年弱使ったWILCOMのWZERO3[es]に限界を感じて,
今年から紙の勝間和代手帳に切り替えたという経緯があるので,
PDAとしてのiPhoneの性能を信じきれない面があるのです。
特に,入力がタッチパネルなのが気になる。
周りにはあまりユーザーがいないのですが,
使っている人は皆高評価です。
それでも,ねぇ。

あと,グーグルの「アンドロイド」の日本での動向も,
信者としては多少気になるところではあります。

また,より感覚的な問題として,
apple製品に対するステレオタイプ(=趣味的)というのも考えられます。
別に積極的にMS/Windows信者ではありませんが,
今までMacを購入したことも,真剣に検討したこともないのは事実。
iPodもデザイン性は認めますが,
他社製品と比較すると性能と価格が釣り合っているとは思えません。
だから,ホントにiPhoneでなきゃ自分のニーズが満たされないのか?
という思いはなかなか拭い去れないのです。

しかしまぁ,使えるかどうかは使ってみなきゃ分らないし,
アンドロイドの普及もまだしばらくかかるでしょう。
他の選択肢は[es]を切るときに散々検討して,
結局Windows Mobileではどうにもならん,と判断したはず。

こうして考えてみて気付いたのは,
逆にiPhone導入の動機は何かということが
明確になってないということです。
確かに,Google Calenderとの同期で紙の手帳を捨てて,
メールもWebもどこでもチェックできるのは便利なように思えます。
でも,現状の体制で問題があるかと言えば,
そうでもないというのが正直なところ。

確かに,紙の手帳とGoogle Calenderとの併用は無駄にも思えますが,
バックアップと考えれば,あながち不合理でもない気もします。
Google Calenderに一本化しても,
定期的にハードコピーに落としておく手間はかかるわけだし。

メール&Webについても,(今のところ)事務所にいる時間が長いので,
モバイルの重要性はそれほど高くない。
出先での作業が必要だとすれば,結局PCが必要になるし。

と,ここまで書いてみて,ようやくスッキリしました。
仕事に関しては,今すぐ必要ではないということですね。
経済的に余裕があってオモチャとして導入するならともかく,
今の自分には贅沢品というところでしょうか。

これで懸案がひとつ片付きました。
やっぱり文章化は大事ですね。

2009年3月26日木曜日

アンチFAX

ご無沙汰です。
最近職場にグーグルカレンダーを導入しました。
うまくいけば,スケジュール管理が効率化されるはずです。
iPhoneも導入しようかと計画中であります。

しかし,この業界は未だに紙ベースで回っており,
色々な連絡がFAXで送られてきます。
もちろん原本が紙である以上,ある程度は仕方がないのでしょうが,
事務連絡くらいメールベースに移行すべきではないでしょうか。
FAXを使い続ける積極的な意味は僕には見出せません。
誤送信の危険はFAXでも同じだし,
使い回しが気になるなら,PDF化して添付すれば良い。
弁護士会から回ってきたFAXにFAXで返信すると回線がふさがってて繋がらない,
なんてあほなこともなくなります。
てか,そもそもそんな形で出欠を採ること自体がナンセンスでしょう。
弁護士会業務の効率化は本気で考えた方が良いと思います。
単位会は小所帯で予算も限られてるでしょうから,
日弁連あたりがPT組んで弁護士会の基幹システムを外注しちゃえばどうなんでしょうね。
だれか本気で考えてるのかな?
いまどきFAXで日弁連NEWSとか送られてくると,ちょっと萎えます。

なんてことを総会で提案する度胸もないのでここに書いてみました。
僕らの期が権力を握るときが来れば,実現できる,のかなぁ。


2009年3月11日水曜日

プレゼンとしての尋問

先日,国選事件で,初の尋問を経験しました。
模擬裁判ですら尋問役はやったことがなかったので,
まさにぶっつけ本番です。
当日の朝まで尋問事項を詰めていたのですが,
公判では緊張してしまい,準備を活かしきれませんでした。

反省点としては,
①質問はコンパクトに,
②獲得目標を意識する,
③声や動作をコントロールする,
といったところでしょうか。

①と②は,事前に尋問事項を考えているときは当然意識しています。
ただ,これが実際に尋問する段になると,無駄に説明的な言葉を加えてしまったり,
被告人の答えに気を取られて,獲得目標を一瞬忘れてしまったりしてしました。
慣れの問題とはいえ,反省してます。

③は視覚・聴覚情報を意識するということですが,
尋問だけでなく弁論においても,重要となってくると思います。
鏡の前で練習するということが,本気で必要かもしれません。

こういう尋問技術は弁護士プロパーだと思いますが,
広い意味でのプレゼンに含まれると考えれば,
ノウハウを共有することは可能だと思います。
弁護に役立つプレゼン術や弁護から学ぶプレゼンの極意など,
双方向のコミュニケーションが生まれたら楽しいですね。

2009年3月5日木曜日

距離と役割

最近ボスから「入れ込みすぎるな」との助言を頂くことが何度かありました。
時には突き放すことも必要とのこと。
25年以上弁護士をやってる先達の言葉には説得力がありますが,
実践となると難しい・・・。

何故難しいのか少し考えてみると,
弁護士の役割というものに対する自覚が薄いことが原因ではと思い当たりました。
弁護士は法律的な問題を解決するのが仕事であって,
生の問題をまるごと抱え込むものではない。
でも,依頼者の直面する問題というのは,
ココからココが法律問題です,という形ではもちろんない。
そもそも,何が問題なのかすら,分らない段階から始めることも,
それほど珍しくないのです。

そんな問題を扱うとき,
事実レベルで問題を把握して,法律的な解決の可能性を選び出す。
この法律家として当たり前の作業をどこまで意識できるか。
それが今の課題なのだと思います。

そう考えると,悩み相談的に依頼者の話を聞いてしまい,
予定時間をオーバーしてしまうという別の悩みも,
原因は同じなのでしょう。
加えて,そういう共感を重視した相談姿勢はそれ自体,
過度の入れ込みを生む原因ともなります。
どちらも自覚の問題。

ただ,信頼関係の形成にはある程度共感的コミュニケーションも必要な訳で,
そのバランスは結局のところ個性と経験によって決まってくるのでしょうね。
それでも,弁護士はカウンセラーではないという線引きは,
意識しておこうと思います。

2009年2月24日火曜日

締切の重要性

今日は準備書面の締め切りで,無事?提出しました。
このところずっと取り組んでいたのですが,
(そればかりやっていた訳でもないですが)
結局ギリギリになってしまいました(汗
ちなみに,ここで言う締切は,裁判所が指定するもので,
大体,次回期日の1週間前です。

先週月曜日にドラフトを上げて,
水曜日に依頼者と打合せをし,
その間ボスの意見も仰ぎつつ,
自分の中の締切である今週の日曜日にはほぼ完成してました。
(そもそも,日曜日に仕事をしなければならないこと自体問題ではあるのですが)
ところが,①一太郎の操作に不慣れなため書式を整えるのに手間取ったのと,
②眼を通すたびに手を入れたくなってしまったため,
提出は今日まで引きずってしまいました。

①も致命的ですが,これはまぁ,勉強するしかない。
より深刻な問題は②だと思います。
もちろん,言葉で相手を説得するのが我々の仕事なので,
文章を練ることも大切ですが,あまり細かく日本語にこだわりすぎると,
いつまでも完成しない=仕事が遅れることになります。
僕の場合は法律の勉強と同じくらいの期間,
アカデミックな論文を書くトレーニングを受けてきたので,
そのクセが抜け切れていないのかもしれません。

とにかく,自分の設定した締切を墨守して,
そこまでに提出可能な状態に仕上げることが先決。
その上で,余裕があれば手直しすればいいし,
多くの場合,明らかなミスの修正でなければ,
むしろ早く出してしまった方が良いかもしれないと思いました。
クオリティとスピードのバランスをどう取るか,
今後のそしておそらく永遠の課題ですね。

2009年2月19日木曜日

セカイとストーリー

先週暖かくなったと思ったら昨日くらいからまた寒くなりましたね。
三寒四温ってやつですか?

さて,僕はもともと人文系で現代思想が専門だったので,
プルラルな思考とか価値観の多様性とかに,
割と慣れ親しんでるつもりでした。
ところが,弁護士としていろいろな依頼者と会って話を聞くと,
完全に見えている世界が違う,そう感じることがあります。
こんなとき,自分の世界がいかに狭かったかに気づかされます。
これまで他説や他者だと思っていたのは,
結局のところ自分にとって理解可能なものでしかなかったということでしょう。

この世界の違いにどう向き合うか。
もちろん今の僕にすぐに答えが出る問題ではありません。
少なくとも,自分の価値観を押しつけたり,
そうでなくとも,相手の世界観を変えようとしたりすることは,
弁護士の役割ではないとは思います。
(少年事件の付添人の場合はやや事情は異なるかもしれませんが。)
かといって,相手の価値観・世界観をまるごと理解して,そのまま受け入れることも,
カウンセラーではない弁護士にとっては荷が重いように思います。

今,僕が何となく感じているのは,
こういう場合,弁護士と依頼者との間を繋ぐのは,
ストーリーなのではないかということです。
異なる価値観と独自の世界観を有する諸文化の神話にも共通の型があるように,
それぞれの世界に生きる依頼者と弁護士であっても,
ひとつのストーリーを共有することなら,可能なのではないか,と。
もの凄く漠然とした仮説ではありますが(汗

今日はひとつ嬉しいことがありました。
以前,対価性について書いたときの相談者がわざわざ事務所にお礼に来られました。
実は相談の数日後にこちらから電話をして進展をうかがってはいたのですが,
まさかご挨拶にみえるとは思ってませんでした。
相談料を頂かなかったことで,かえって気を遣わせてしまったのかもしれませんが,
相談だけで終わらなかったことにじんわりと喜びを感じています。

2009年2月12日木曜日

ノキ弁とは(今更ながら・・・)

このブログは「ノキ弁日誌」というタイトルで始めましたが,
ノキ弁という言葉はあまりポピュラーではないようで,
ググってみるとこんなブログでも結構上位に上がってびっくりしました(汗

そこで,今更ですが,ノキ弁について簡単に説明します。
この言葉は「軒先を借りる弁護士」=「軒弁」に由来するとされています。
弁護士の勤務(雇用)形態を表す言葉のひとつです。
似たような言葉で,ボス弁(=経営者弁護士),イソ弁(居候弁護士=イソ弁,
なんてところは聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
ちょっとした規模の事務所(主に企業法務系)だと,
ボス弁=パートナー,イソ弁=アソシエイト(アソ)なんて英語呼称も多いですね。
また,最近では,自宅開業弁護士=タク弁なんてものまで出てきているようですし,
ちょっと違ったカテゴリーとしては,
登録して即独立する(=ボス弁になる)ケースを,
「即独(ソクドク)」と呼んだりします。

自分で事務所を経営するボス弁と,
給料をもらって事務所(=ボス弁)の仕事を処理するイソ弁の関係は,
一般的にも分かりやすいと思います。
ノキ弁は事務所に机はありますが,ボス弁から給料を貰わず,
自分の収入で生計を立てます。
イソ弁も徐々に事務所以外の事件(=個人事件)を増やしていくことになるのですが,
ノキ弁は全て個人事件というわけです。

とは言え,最初から仕事が来るわけでもないので,
大抵ははじめのうちはボス弁から仕事を回してもらうことになります。
その他,事務員さんにどこまで手伝って貰えるか,
備品や消耗品をどうするか,それに伴う経費負担などは,
各人それぞれがボス弁との協議で決めることになります。
僕の場合は,結構事務所のお世話になっている方だと思います。

ノキ弁という勤務形態は現在メジャーではありませんが,
司法試験合格者の増加に伴って,
今後増えていくことは確実だと考えられています。
では,就職難を乗り越えるために急遽考えられたものかというと,実はそうでもなく,
地域や時代によっては当たり前だったりもするようです。
(ソクドクについても当然とされる地域もあるようです)
特に地方では,まだまだ弁護士不足なので,
売り上げが全部自分に帰属するノキ弁の方が,
給料が決まっているイソ弁よりも稼げるという話も聞きます。
現在の鹿児島市内でこの理屈が当てはまるのか否かは,
今後僕が実証していくことになるわけですが(笑

ノキ弁もイソ弁も弁護士であることには変わりなく,
その実態もそれぞれですので,
依頼者の側からそれほど気にすることはないと思います。
ただ,そいういう形態もあるんだと頭に入れておかれれば,
無用の誤解は避けられるかもしれませんね。

2009年2月10日火曜日

対価性の問題

こんばんは。
例によって不定期更新です。
ここ数日体調悪くて寝込んでました。
この仕事,体が資本と痛感しました。
少々休んでも誰も何も言わないけど,
誰も代わってはくれませんからね。
事務所に出てみると思ったより仕事(主に事務処理)が増えてなくて,
ほっとするやら寂しいやら。

さて,今日は法律相談料について。
ご存知の方も多いかと思いますが,
一般的に5,250円/30min(tax in)とされてまして,
僕も基本それで受けます。
今日の方も,有料相談ということで予約を入れました。

ところが,話を聞いてみると,法的アドバイスというよりは,
事実上のアドバイスというか心構えというか,
そんなことしか申し上げられない事案でした。
もちろん,今後問題となりうる法的問題は指摘しましたが,
それもまぁ,今の段階で対処を誤らなければ,
現実化することはほぼない類のもの。
しかも,本人も対処については方針を固めてきていたので,
最終的には,「その方向で頑張ってください」という話。
こんな感じで約30分です。

さてここで,相談料は何の対価かという悩みが立ち現れます。
迷わず,「時間」と言えるなら,悩みはしない。
事前の約束通りの料金をいただきます。
「知識」とするとちょっと悩むかな。
でもまぁ,法律的な問題ではないという回答も,
法的知識に裏付けられていると考えれば,積極ですかね。
そう,別に悩む必要はないはずなんですよねぇ。

でも,今日その場にいた僕は,一瞬悩んで,
結局無料にしてしまいました。
これが良かったのか悪かったのかは分らない。
ただ,自分が相談者だったとして,
果たしてその料金は妥当と考えるかと思うと,
ちょっと自信がなかった。
こんなんで画一的に金取るの?と,頭の中の自分が囁いた。

もちろん,「せんせい」のときに書いたように,
相談者は安心を求めて来る訳なので,
きちんとお金を頂いいた上で責任を持って回答するのも,
あるべき姿なんだとは思います。
いや,今回は責任逃れをしたとかいう話ではなく,ね。

(ちなみに,相談者の資力に問題がある場合には,
 また別の悩みが生ずるのだが,それはさておき。)

って,完璧に尻切れですが,結論出そうにないのでこの辺で(汗
また同じような悩みに直面したらもう少し進めるかもしれません。

末筆ながら,最初の読者になってくれた奇特な貴方,
ありがとうございます。
見つけたとき,思わず我が目を疑いました(爆
今後ともよろしくお願いします。

でわでわ。

2009年2月4日水曜日

しんぶんし

ごめんなさい,相変わらずほったらかしですね(汗
時間をとって立て直しって,なかなか難しいみたいです。
クリエイティブな時間をどれだけ確保できるか,
タイム&タスクマネジメントとすきま時間の活用が今の課題です。

さて,今日は新聞の話。
僕は今日経と南日本という地方紙の2紙を取ってます。
東京にいると分からないだろうけど,
地方で仕事するには地方紙読んでないとってところがある。
(東京だとそれが日経なんだろうけど。)
特にこういう仕事だと,地方紙の世界は凄く近い。
朝,「こんな事件あったんだ」,なんて思ったら,
夕方にはその被疑者とアクリル板越しに顔を合わせる可能性も。
そうでなくとも,地方は狭いし,色んなことが関わってきます。

他方,地方で読む日経は,すごく遠い気がする。
もちろん,東京で読んだって,ビジネスの世界にいなければ,
世界経済は遠い場所の話に感じるんだけど,
鹿児島だと,もっと遠いんだな。何となく。
で,ちょっと冷たい感じもする。
日経好きだったんだけどなぁ。

だからって訳ではないけど,
今日は日経にメールしてみた。
ちょっとこの記事(事実レベルで)おかしいんじゃないの?って感じで。
単なる知識不足なのかもしれないけど,
あえて,誤解を助長してるように思えなくもなく・・・。
穿ちすぎといえばそれまでですが。

メディアの中立性なんて信じてないし,
それぞれの主義主張は尊重しますが,
新聞(しかも全国紙)なら事実と主張は分けて提示して欲しい。
影響力大きいんだからさ。
事実誤認のふりで主張を通すのは倫理違反ではないでしょうか。
今回の記事がその類でないことを祈りますが。

しばらくは,こんな感じでボチボチ書いて行きます。

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