鹿児島で働く新61期のノキ弁が,仕事や法律について考えたことを吐出します。                         有用なアウトプットを生産すべく試行錯誤の日々の記録です。

2009年3月5日木曜日

距離と役割

最近ボスから「入れ込みすぎるな」との助言を頂くことが何度かありました。
時には突き放すことも必要とのこと。
25年以上弁護士をやってる先達の言葉には説得力がありますが,
実践となると難しい・・・。

何故難しいのか少し考えてみると,
弁護士の役割というものに対する自覚が薄いことが原因ではと思い当たりました。
弁護士は法律的な問題を解決するのが仕事であって,
生の問題をまるごと抱え込むものではない。
でも,依頼者の直面する問題というのは,
ココからココが法律問題です,という形ではもちろんない。
そもそも,何が問題なのかすら,分らない段階から始めることも,
それほど珍しくないのです。

そんな問題を扱うとき,
事実レベルで問題を把握して,法律的な解決の可能性を選び出す。
この法律家として当たり前の作業をどこまで意識できるか。
それが今の課題なのだと思います。

そう考えると,悩み相談的に依頼者の話を聞いてしまい,
予定時間をオーバーしてしまうという別の悩みも,
原因は同じなのでしょう。
加えて,そういう共感を重視した相談姿勢はそれ自体,
過度の入れ込みを生む原因ともなります。
どちらも自覚の問題。

ただ,信頼関係の形成にはある程度共感的コミュニケーションも必要な訳で,
そのバランスは結局のところ個性と経験によって決まってくるのでしょうね。
それでも,弁護士はカウンセラーではないという線引きは,
意識しておこうと思います。

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