鹿児島で働く新61期のノキ弁が,仕事や法律について考えたことを吐出します。                         有用なアウトプットを生産すべく試行錯誤の日々の記録です。

2010年4月26日月曜日

シマ弁日誌

とりあえず,移行しますた。
http://shimaben.blogspot.com/
今後はシマ弁日誌でよろしくです。

2010年3月23日火曜日

いよいよ出航

あと,3時間少しで,船が出ます。
そろそろ車を積みに港に行く時間です。
自宅と事務所を3日で畳むのは,正直大変でしたが,
引越し経験のの豊富な母の手助けもあり,
何とか徹夜もせずに終わりました。
開けるのはひとりなので,ひと月はかかるでしょうが(汗

修習地の奈良から鹿児島に来るとき,
自分はどんな気持ちだったのか,
たった1年ちょっと前のことなのに,覚えていません。
でも,今よりずっと不安が強かったのではないかと思います。
幼少期から10年住んだ土地とはいえ,
10数年振りに帰ってきて,自分で稼がなくてはならないノキ弁として,
三十路での社会人1年目を迎えたのですから。

奄美に出航するにあたって,
今の心境は,不安と期待が半々くらいでしょうか。
前途洋洋ではないけれど,まさに海に出る感覚です。
これからどんなことが待ち受けているのか,
楽しみな自分も確かにいます。

自分にできることは限られているけれども,
自分にしかできないことも,何かある。
そう思って,島での仕事と生活を選びました。
今回の旅立ちにあたり,普段は意識していなくても,
本当にいろいろな方が,自分を見てくれ,
応援してくれていることを知りました。
その期待に少しでも応えられるよう,
一日一日を大切にしていこうと思います。

そんな訳で,「ノキ弁日誌」は今日で終わり。
次回からは「シマ弁日誌」として,更新します。
奄美にお越しの際は,是非あまみ法律事務所にもお立ち寄りください。
美味しいコーヒーをご用意してお待ちいたしております(笑


2010年3月16日火曜日

進捗状況

だいぶ形ができてきました。
思ったより早い展開でひと安心。
一応21日完成の予定ですが,
何とか間に合うかなぁ。

残り1週間を切りました

ご無沙汰です。
現事務所での執務も今週いっぱいで終わりです。
毎日引き継ぎの調整で忙殺されております。
週末になったら猛ダッシュで荷造りして,
週明けの連休にはもう奄美に引っ越します。


こちらの事件も20件ほど持っていくことになりました。
依頼者への連絡は大体終わって,
連日必要な打ち合わせをこなしていますが,
相手方への通知が遅れ気味。。。
間に合うのか不安ですが,まぁ,やるしかないですね。


自分持込が約20件(そのうち訴訟が5件とこれから提訴(汗)が3件くらい),
それに法テラス奄美からの引継ぎ案件が15件,
さらに名瀬支部での管財事件が2件。
最初から仕事があるのは結構なことですが,
最初のうちに新規をどれだけ受けられるか,
やや不安が残ります。
おそらく半年くらいは鹿児島と行ったりきたりでしょう。
公設への赴任の仕方としてはよろしくないんだろうけど,
ノキ弁の身で引継ぎとかもできず,
また地理的に近いこともあって基本的には持っていくことにしました。
過払訴訟なんかは同期の複代理で乗り切りたいところです。
って同期の誰もこんなブログ読んでないか。。。


事務所のほうは着々と形になっているようです。
今回,離島という特殊事情と,
工期の余裕がほとんどなかったので,
既成のパーテションを使わず,
大工仕事で部屋を作ってもらいました。
自由度と素材感がかえって良かったと思います。
いざ着工となってから予算的に厳しい折衝が続いていますが,
何とか想いが形になればいいなと願ってます。




今回の事務所のコンセプトは,「カジュアル」。
トラブルを抱えた相談者が,気後れすることなく,
足を向けられる場所を目指しています。
イメージとしてはカフェや美容院のような空間。
法律事務所に行かねばならないというず~んと重い気持ちを,
少しでも和らげられたら,というのがデザインのコンセプトです。
弁護士会から記念品をいただけるというので,
前々から欲しかったコーヒーミルとコーヒーメーカーの導入も決めました。


その裏で,スタッフと弁護士の業務の効率化と機能性も追及しています。
おそらく1年くらいのオペレーションでだんだんと,
望む形になるものだとは思いますが,
今でも斬新な空間が生まれつつある予感はして,とても楽しみです。


一方で,法律事務所の競争力はいうまでも無くハードではなくソフトで決まります。
ソフトとは,①ヒューマンリソース,②ITを含めた業務システム,
③そしてオペレーションです。
②については,今回大きな投資を決断しました。業務管理システムの導入です。
これを振る活用できれば,業務が相当効率化するはずと期待しています。
①については,経験者を2名確保できたので,
スタッフとして自覚とプライドをもって仕事をしていただけるような環境をつくるのが,
所長である僕の務め。
③は,スタッフと僕とで日々カイゼンに取り組んで生きたいと思います。


「何か困ったことがあれば,あの事務所に行けば良いよ」と認められ,
そして実際きてくださった方が,少しでも肩の荷を降ろして帰っていける,
そんな場所にしたいと思います。


まだまだ駆け出しのノキ弁に何ができるかは分かりませんが,
依頼者の希望をできるだけ聞き入れて,
島の中での妥当な落としどころを探っていければ,
僕が赴任する意味はあるのではないでしょうか。
そして,2年ないし3年後には,
奄美群島全体に良質なリーガールサービスを提供したい,
そんな希望も持っています。
その先には,奄美出身者の多い関西への進出や,
東京,鹿児島とのネットワークも視野に入れています。
いずれにせよ自分が島を去るときに,良い仕組みが残るよう,
日々の仕事だけでなく色々なことにチャレンジしていきたいと思います。
あまみ法律事務所が,奄美群島において,みんなに開かれた司法インフラとなること,
これが今回の赴任の最終目標です。


さてさて,どうなることやら。
不安と期待に身悶える春です。






2010年2月25日木曜日

犯罪被害者支援

犯罪被害者支援は,近年弁護士の活動領域として,
広がりをみせている分野です。
刑事手続きにおける被害者参加が法定されてきており,
国選被害者参加弁護士という制度もできました。


私自身,被害者支援をしていて,
被害者を弁護士がサポートすること自体の意義は,
十分に感じているところです。
被害者の視点から見れば,被疑者・被告人には,
刑事弁護人として弁護士がついているのに,
自分はひとりであるとの不安ないし不満があります。
支援弁護士がつくことで,この点は解消されるわけです。


しかしながら,刑事訴訟において,
従来の刑事弁護人に対立する立場に同じ弁護士をもって置くということに,
違和感を覚えなくもありません。
以前から,悪いことをした「犯罪者」を弁護する弁護士はけしからん,
という一般市民感覚は根強くあります。
これに加えて,被害者参加弁護士として検察官の側に立つ弁護士が,
刑事弁護もするというのは,一般市民の眼にはどのように映るのでしょうか。
また,刑事弁護人として被告人のために最善の努力をする弁護士が,
被害者参加弁護士として被害者ないしはその遺族を代弁して,
被告人に重い処罰を求める活動をすることは,
外部から見て矛盾してると感じられないのでしょうか。


確かに,民事においては,あるときは原告になりまた次の機会には被告になる,
そんなことは当たり前です。
どんな立場であれ依頼者の権利を実現するために最善を尽くし,
紛争を解決するのが,民事における代理人たる弁護士の仕事です。
しかし,刑事弁護においては,その半ば公的役割から,
そう簡単に割り切れないものもあるのではないかと思います。
特に,刑事弁護に情熱と熱意をもって,信念を固めてきた弁護士ほど,
悩みは大きいと思います。


私は今のところ,参加弁護士として公判に関与したことはありませんが,
刑事弁護人としても,相手方に弁護士がついて手続きに関与してくるケースでは,
やりにくさを覚えないといえば嘘になります。
弁護士会の中でも色々な見解があります。
弁護士自治ないしは刑事弁護を崩壊させるための陰謀論だとまでは言いませんが,
ある意味では,刑事弁護を最後の拠りどころとしてかろうじて存在していた,
弁護士同士の一体感が損なわれつつあることを,個人的には危惧します。


検察は以前から,「被害者とともに泣く」ことを標榜していたのですから,
少なくとも,刑事訴訟手続きにおける被害者のサポートは,
検察官もしくは検察庁が行うのが筋であるような気がします。


犯罪被害者支援の幅は広く,弁護士ができることは限られています。
警察,検察,犯罪被害者センターなどが連携して,
よりよい制度を構築する必要があるのではないでしょうか。


民事

2010年2月24日水曜日

屋久島雑感2

鹿児島に帰ってさっそく,KULSのニューズレターへの寄稿を依頼される。
人使いが荒いと思いつつ,隙間時間でやっつけました。
せっかくだからここにも転載します。

*****************************************

リーガルクリニックA@屋久島に参加して

平成22年2月19日から22日かけて,屋久島の3会場で無料法律相談を行いました。
学生にとっては,日頃の学習の成果を地域社会に還元する貴重な機会であるとともに,
将来携わる法曹実務に触れることで,今後の学習目標を再確認する場でもあったと思います。
私見ですが,法科大学院における全ての学習は,新司法試験に繋がるものでなくてはなりません。
これには,教員側の創意工夫はもちろん,特に直接の試験科目ではない科目においては,
学生が主体的に目標を設定し,授業から新司法試験に活かせる知識・経験・思考を学び取る姿勢が不可欠です。
今回のリーガルクリニックを,新司法試験にどう活かすか。
私が感じたことを,以下簡単に述べたいと思います。
① 事実の整理
  試験問題とは異なり,生の相談で相談者から語られる事実は,所与のものではありません。
 実務家は,常に立証を意識して事実の確定に努めます。
 学習段階では軽視されがちな事実の重みを感じることが出来たのではないでしょうか。
  ただし,試験問題を解くにあたっては,問題文の趣旨をよく理解したうえで,
 出題者が想定していない事実に足を取られることがないよう,注意を喚起しておきます。
  また,相談者から流れ出る事実の洪水を整理し,記録するスキルについても,目の当たりにしたことと思います。
 相続関係図に代表される,複雑な事実を法律関係が分るように図表化する技術は,
 実務のみならず試験においても必須ですので,これを機会に習得してください。
② 要件事実の意味
  事実の聞き取り及び整理に際して,法律家の参照枠組(Frame of Reference)は要件事実です。
 普段,ある種のパズルとして捉えがちな要件事実ですが,
 相談の場において生の事実を整理する有効なツールであることを感得できたのではないでしょうか。
 学生のみなさんの聞きとりが,相談者に振り回されてわき道にそれてしまいがちなのは,
 この参照枠組みをしっかり意識できていないことが主因であると感じました。
 事前準備で何を聞くべきかを検討する際には,要件事実をしっかりと押さえることがまずもって重要になります。
 今回,時間的制約の問題もあるのでしょうが,この点の準備がやや不十分であった印象を受けました。
 生きた要件事実学習の場として,積極的に活用して欲しいと願います。
③ 解決手段としての各制度の有機的理解
  実体法の学習は,つまるところ法定の要件効果を基盤とした権利の存否の問題に帰着します。
 他方,手続法の学習では,やや細かい手続き的論点に目が行きがちです。
  しかし,現実の紛争解決は,多様な法制度を駆使して実現されるものです。訴訟のみならず,調停,審判又はADRなど,
 紛争解決システムの全体像を頭に置き,適切な手段を選択することが求められます。
 そのためには,各手続きの特徴とメリットデメリットをしっかりと理解し,相談者に分りやすく説明することが肝要です。
  手続き選択は新司法試験では,主に,行政法で問われるところですが,
 民事でもどのような手続きで解決するのかのイメージを持つことは,見えないところで答案に具体性を与えると思います。
④ タイムマネジメント
  今回のクリニックは,学生にとっては,かなりタイトスケジュールの中で行われました。本当に大変だったと思います。
 しかしながら,新司法試験においても,最後の最後はタイムマネジメントにかかってきます。
 与えられた時間の中で,必要十分なアウトプットを生産することは,試験でも実務でも,必須のスキルです。
 所与の時間に対して不満を述べるのではなく,その時間をどう活用すれば要求水準を満たせるのかというトレーニングとして,
 前向きに捉えたうえで,取り組んでみてください。
  また,法律相談におけるタイムマネジメントについては,相談内容の質と量を常に意識して,緩急をつけた柔軟な姿勢が求められます。
 相談者の話を遮る形になる場面もありますが,トータルで時間内に満足を得るという観点から行われていることに注目して欲しいところです。
 切るべきところは思い切って切る実務家のテクニックは,メリハリのある答案を書くに当たっても参考になると思います。
⑤ 相談者の希望にフォーカスすること
  実務家が相談に当たってまず把握しなければならないのは,論点でも判例でもなく,「相談者が何を望んでいるか」です。
 それが分らなければ,どの事実を聞けばよいかも分りません。これは,新司法試験に置き換えれば,「出題趣旨」を把握することです。
 事実の中に論点が見えたとしても,出題者が何を望んでいるかを把握しないことには,評価される答案は書けません。
 出題者の考えを念頭において,何を書いて欲しいと思っているのかを常に意識できれば,いわゆる論点羅列型の答案は生まれません。
⑥ プレゼンテーション
  今回,学生の力不足をいちばん感じたのがプレゼンテーションです。口頭発表の機会は普段あまりないでしょうし,
 新司法試験にも後述はありません。それでも,事前知識ゼロの聞き手に,簡潔に事案を理解させる能力は答案でも求められます。
 一読して試験問題が想像できる答案が優れた答案だと思います。もちろん,読み手の試験委員は問題作成者でもあるわけですが,
 問題文中で当然の事実を当然の事実として指摘するのと,分ってるだろうとの思い込みでまったく触れないのとでは,
 印象はだいぶ異なります。読み手を意識しない答案は,やはり良い評価には繋がりません。
  また,言葉遣いについても,色々な批判が出ました。法律家は言葉によって紛争解決するのが仕事ですから,
 その武器である言葉はクリスタル・クリアでなければなりません。あいまいな表現を避け,厳密な言葉遣いを意識してください。
 事実が曖昧であれば適切な場合分けが必要ですが,主張が曖昧な場合,知識不足か論理の破綻と考えられます。

 以上,思いつくままに述べましたが,実務科目であるクリニックにおいても,新司法試験に役立つものは,たくさんあります。
せっかく,時間と労力をかけて授業に取り組むのですから,そこから吸収できるものは貪欲に吸収し,試験に活かしてください。
法科大学院と新司法試験との関係は微妙なところもありますが,学生の意識しだいでは,かなりリンクすることが可能だと思います。
もったいない精神を忘れずに,今後の授業にも積極的に取り組まれることを祈っています。

2010年2月22日月曜日

屋久島雑感

鹿児島大学ロースクール(KULS)の
リーガルクリニックに同行して,
3泊4日で屋久島に行ってきました。
一応非常勤講師としてのお仕事です。
学生と一緒に島内の数箇所を回って無料法律相談。
広報を頑張ったらしく,それなりに予約が埋まっていました。
学生にとってはかなりハードな授業だと思う。
これが必修というのは,しんどいかもしれない。
でも,選択だと人が集まらないだろうしなぁ。
(写真は隙間時間で唯一観光できた千尋の滝)


以下,雑感。

① 法律相談
修習指導のベテラン弁護士から「法律相談が一番難しい」
と教わって,仕事を始めてからも,一番しんどいと思ってたけど,
改めてそのことを認識しました。日ごろ人に見られないので,
今回の同席で最初のころの緊張感を思い出した。
今回,二人の弁護士の相談を見ることができたのも良かった。
やはりそれぞれにスタイルがあり,正解はない。でも,相談者のの評価は平等。
相談者に対する満足度調査は自分でもやってみたい。

② 司法過疎
年に1回の無料法律相談だからこそ,
相談する決心がつくというのは新たな発見。
受任まで考えたら,常駐のほうが良いとは思うが,
巡回ゆえのメリットというものもあるのだ。
例えば十島村に比べて,屋久島には簡裁があるからまだまし,
という司法過疎の根深さ。
ビジネスとして成立することが必要条件だが,
奄美をみれば,それだけで十分条件を満たさないことも明らか。 

③ 司法制度改革
現役受験生に合格者数の適正水準を問うのは酷に過ぎる。
答えが得られたとしても,自分が合格できる水準とうものでしかないだろう。
受験生の気持ちは受験生にしか分からないのだなぁ。
他方で,当事者である法曹志望者が,
いまだにこの国の司法制度全体に対するビジョンを持ち得ないこと自体,
構造的な問題は何も解決していないことの証左ではある。
折悪しく不況と重なって,不合格者が確実に生まれる制度そのものの是非が,
改めて問われているが,当事者からの声は聞こえてこない。
個人的には三振した人が法務省か最高裁の前で焼身自殺したりする可能性を,
かなりリアルに想像していたのだが。
みんな自分のことでいっぱいいっぱいだろうし,落伍者という負い目が口を重くするのだろう。
合格者ですら就職先がない状況で,不合格者の問題には手が届きにくい現実。
声を上げられない状況に加担しながら,声を上げないことを指摘するのは,残酷だ。

2010年2月15日月曜日

NLP入門講座

日曜日に受講してきました。
http://thegateofnlp.blog52.fc2.com/category0-2.html
1日だけの入門講座で,
今後開講されるマスターコースの宣伝という位置づけでしたが,
ワークが多くて,NLPの世界を体験できるものでした。
トレーナーは真言宗の僧侶でもあり,とっても理論家。
理屈っぽくないセミナーを意識したとのことですが,
理論的裏付けが伝わってきます。
理屈屋の自分としては,
もっとエモーショナルな人のほうが合うかもしれない(笑


目標発見のワークで浮かんできたイメージは,
「遠く離れて繋がっている」というもの。
自由と安心感。
具体的に何をしているのかは分からないけど,
今の仕事ではないことははっきりした(爆


これまでのNLPに対するイメージは,
自己啓発をシステマティックに理論化して,
技術に落とし込んだものという感じでしたが,
外れてなかったです。
むしろ,技術的側面が予想以上に強い感じ。
ポジティブダブルバインドとか,
シンプルだけど結構ヤバイテクニックだと思った。


歴史的背景にはニューエイジ思想や
ヒューマンポテンシャルムーブメントがありそうな匂いがする。
元トランスパーソナル思想専攻としては,
今これが流行りつつあることに,ちょっと違和感を覚えたり。


テクニカルかつプラクティカルな装いだけど,
中身は結構ディープだと思われるので,
即物的な興味で手を出すのは危険かもしれない。
スピリチュアルなレベルでも,
何らかの影響を及ぼす可能性があり,
そのあたりへの対処もセットにしないと危なっかしい。
物質的世界しか見ないor信じない人が
手を出すのはお勧めしないかなぁ。
まぁ,あくまでも一日体験の印象に過ぎませんが。


以下,備忘メモ。


臨場感のあるイメージに自己を同一化させることで,
ホメオスタシスを願望実現に活用する。
臨場感=五感+感情


21日間続けることで人生が変わる。


イメージを具体化するためには,
材料として参考体験が必要。


自己投資を回収する側に立つための閾値は2000万円。


目標達成を当たり前だと思うこと。
→実現しますけど何か?

2010年2月11日木曜日

結果と過程と納得

先日,控訴審の判決言渡のため,
高裁(宮崎支部)に行ってきました。
初の控訴審(民事の経験もない)で,
自分は控訴審からの参加でしたが,
大変良い勉強になった事件でした。
でも,結果は控訴棄却。
原審が実刑判決だったので,
実質実刑判決をもらった感覚です。
これは2回目ですね。やっぱり応えます。
新米弁護人としては,自分の力量不足で依頼者を刑務所に
送ってしまったのではないかという不安が拭えません。


もちろん,控訴趣意書を作成するときは,
どうやったら控訴人に有利な事情を拾って,
裁判官に納得してもらうか,
事実認定についても法律論についても,
散々頭を悩ませました。
おそらく純粋に起案という意味では,
最初の1年の中でもっとも考え抜いたものだったと思います。


言渡しでは,判決理由を事細かに説明されました。
こちらが無理筋なのを承知で主張している部分でも,
丁寧に拾ってひとつひとつ反論を加え,潰されました。
しかも,結局事実取調べされなかった証拠についても,
判決には斟酌できないとしながらも長々と言及。
経験豊富な主任弁護人に聞いても,
ここまでの詳細な理由説明はそれほどあることではないそうです。
その分本気で潰しに来てるなと感じました。
あるいは,上告しないようにという,
暗黙のメッセージなのかもしれません。


後日,控訴人である依頼者と打ち合わせ。
残念な結果について詫びました。
依頼者は,「国選ではなく私選で依頼をして頑張ってくれたから,
この程度の量刑で済んだのだと思う。
どうせ(刑務所に)に行かねばならないのなら,
上告せず早く済ませてきたい。」
とおっしゃってくださいましたが,
まだまだ青い刑事弁護人である自分は,
素直には喜べませんでした。


民事であれば,課程を評価して結論に納得するというのは良くあるし,
むしろ民事での訴訟提起後の和解(訴訟上でも訴訟外でも)は,
そこを目指して落としどころを探る作業だと思います。
でも,刑事は結論が刑罰権の行使なだけに,
過程への評価より結論により重みがあるように感じます。


ロースクールの刑法の先生(現学長・理事長)の
そのまた先生のお言葉だったと思いますが,
弁護人は負けるべき事件は負けなければなりません。
でも,私自身,諸々の事情から,
実刑は回避すべき事案と考えていただけに,
敗北感と申し訳なさが強く残る事件となりました。


次の目標は宮崎での1勝です。

2010年2月2日火曜日

前向きな仕事の魅力

昨日は,うちの事務員さんの紹介で,
設計会社の社長さんと会食でした。
F.L.ライトの作品からとった会社名からして,
かなりセンスの良い,志の高い社長でした。


トップの役割,組織のありかた,女性社員の扱い方など,
これから独立する自分にとって,
ためになるお話をたくさんうかがいました。
社会や国家に対する視点も,自分と共通のものがあり,
とても楽しく有意義なひとときでした。


それにしても感じたのは,
設計というクリエイティブな仕事の持つ,前向きさ。
先日,キャリア教育の一環として,中学2年生に,
弁護士の仕事について講演?をする機会がありました。
そこで僕は弁護士業=ドブさらいだと説明しました。
これは卑下でもなんでもなく,本質だと思ってるし,
逆にそれを誇りに仕事をしてます。


それでも,顧客の望む新しいものを生み出す,
前向きな仕事のお話を聞いていると,
自分の仕事は本当に後ろ向きだなぁと(汗
我々のところにハッピーな人は来ないし,
問題がうまく解決しても心の底からハッピーってことは,
実際はあまりないのです。


自分の仕事においてもクリエイティビティを発揮したいと,
常々思っているのですが,現実は厳しい。
だからこそ,前向きな仕事をしている方とお話する機会は,
自分にとってとても貴重なものだと改めて感じました。


これからも,いろんな出会いが広がることを楽しみにしています。

2010年1月27日水曜日

塀の中を覗いてみた

先日鹿児島刑務所を見学してきました。
修習中に奈良少年刑務所の見学経験がありますが,
あちらは明治41年竣工の歴史的建造物。
放射状の通路はまんまパノプティコンです(汗
鹿児島刑務所は昭和61年に現在の場所に移転してるので,
こちらはずいぶん新しい。


ちなみに現在は宮崎との県境の山奥にありますが,
移転前は鹿児島市の真ん中
と言ってよいような場所にありました。
その頃僕は小学生だったので,
そんなことは知りませんでしたが。


鹿児島刑務所の特徴は,農場での解放処遇。
山の中にいくつも茶畑があります。
もちろん,塀の外です。
監視は付きますが,30人に2人とかのレベル。
茶畑ですからしゃがめばすぐ視界から外れます。
もちろん,そういう処遇を受けるには,
それなりの選抜があるのでしょうが,ちょっと驚きました。


もう一つの特徴は,食事が美味しいこと。
ほとんど不満が出ないそうです。
下はおそらく通常の1/3程度の試食用。
冷えた麦飯はちょっとしんどいですが,
おかずは確かに悪くない。



そもそも今回の見学会は刑務所側が企画して,
県弁に持ち込んだっぽいです。
厳めしい響きの監獄法が,
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律,
という長ったらしい名前に変わってはや数年。
刑務所も自己変革の時代といったところでしょうか。
自分たちが国会議員か何かかと思ってしまうほどの,
丁寧かつ親切で熱のこもった案内でした。
日本でもPFI刑務所が導入されたし,
ある意味では生き残りを掛けたPR戦略の一環なのでしょう。


懲役は言うまでもなく刑罰で,
しんどくないと意味がない訳ですが,
一方で刑務所というところは受刑者の矯正
(あんまり好きな言葉ではないけれども)
ということも考えなければならない。
そもそも矯正教育なんて可能なのか,
という大問題はひとまず措くとしても,
この両立は悩ましい。
ただ,それを目指し始めているような「気配」はありました。



2010年1月16日土曜日

習性の修正

人間,嫌なことは見ないことにしたがる習性があります。
僕にも多分にも。
ギリギリまで無視して,
でも,ずっと気になって,ストレスを感じてる。
そんなとき,解決方法はひとつしかありません。
正面から向き合うこと。
それだけです。
解決できることもあれば,できないこともある。
でも,やらないかぎり終わりません。
「見えないものはないものだ」とは大学時代の友人の言葉ですが,
現実はそんなに甘くない
(それが分かっているからこそ,
彼女はあえて,この言葉を好んで口にしたのでしょうが)。

ただ,幸いなことに,その手の問題は,
覚悟を決めてやってみれば意外なほど
あっけなく解決することがほとんどです。
終わってみて気づくのです,
あれほど自分の心を苦しめたプレッシャーの大半は,
手をつけないことそのものに起因するのです。
問題自体はそれほど深刻でも困難でもないのです。

そういったことを,僕は30数年の人生で学んできたはずなのですが,
いまだにこの習性は修正しきれていません。
一時は,それに成功したと感じたこともありました。
それでも,日々雑多な仕事をこなす中で生ずる,
ちょっとした気後れや躊躇いが,
徐々に目を背けたくなる厄介な問題を生むことはよくあります。
現状でもいくつか,そういう問題を抱えています。

実は,今日はそのうちのひとつが片付きました。
時間的にギリギリまで追い詰められての決行でしたが,
やってしまえばなんてことのない話でした。
この感覚を忘れないように,
今日のブログを記します。

見る前にひっ飛べ!!

2010年1月11日月曜日

NITA研修傍聴メモ

NITA研修修了しました。
同時通訳機は使わずに済みました。
専門分野は内容の予想がつきやすいということに加えて,
プレゼンのプロであるアメリカの法廷弁護士が、
日本人向けにする講義ということもあり,
8割くらいは理解できたと思います。
さすがに疲労がたまってきた2日目の後半あたりからは,
集中力を維持できず,理解度も落ちましたが(爆


加えて今回は,メモをマインドマップで取ってみました。
リスニングに集中力が必要なのと,
書くときに英語のスペルが思い出せなくて,
途中で止めようかとも思いましたが,
何とか最後まで通しました。
正直,あんまり取れなかったと思っていたのですが,
鹿児島県弁護士会への報告書を作成してみると,
配布資料とあわせて十分な情報が取れていました。
記憶が新しいこともあるのでしょうが,
マインドマップの威力を感じた体験でした。


以下は,自分の備忘メモ。
(1) 結論
    法廷弁護技術はまさに「技術」であって,
   裁判員裁判を担う弁護士が必ず習得すべきものである。
(2) 具体的技術
    弁護の目的は,裁判員を説得することである。
    そのために,
          ①ケースセオリーを設定し,
          ②冒頭陳述で弁護側のストーリーを提示し,
    ③証拠調べで事実によってストーリーのディティールを固め,
    ④最終弁論では弁護側のストーリーを選ぶ理由を述べることが必要である。
    以下,それぞれについて補足する。
    ア ケースセオリー
      ケースセオリーはテーマとも呼ばれる。
             短いセンテンス(90秒以内,10語以内)で,
     常識にかなった,説得力あるケースセオリーを設定することが,
     弁護のスタートであると同時に,ゴールでもある。 
      そのためには,ブレインストーミングが有効である。
     弁護側にとって良い事実と悪い事実をともに全て挙げた上で,
     それらのTOP5を抽出する。           
     その際の基準は,弁護人と裁判員とが共有する普遍的な感情
             (emotion)である。
    イ  最終弁論
       最終弁論の目的は裁判員を説得することにある。
      メンタルにもフィジカルにも裁判員の注意を引き付けなければならない。
       冒頭陳述が事実をストーリーとして語る場であるのに対して,
      最終弁論は議論の場である。弁護側のケースセオリーが
      合理的で共感できるものであることを,コンパクトに伝えるべきである。
       そのためには,
       (ア)アイコンタクトをする
       (イ)ペーパーを持たない
       (ウ)修辞的技術(比喩,例示など)を使用する
      ことが肝要である。特に(ウ)については,「わさび」のように,
      少量かつ効果的な使用が求められる。
        また,裁判員が容易に同意する事項からはじめ,
      その後に,争点に言及するのが良い。
    ウ 主尋問
       主尋問の目的は,証人自身ににストーリーを語らせることにある。
      そのためには,オープンな質問が必須である。
       組み立てとしては,証人に信用性を与え,
      場面を設定してから,尋問を始める。
      何も知らない裁判員に,証人を売り込むため,
      語彙,声のトーンや抑揚,ジェスチャーなど,
      裁判員の心を掴む工夫が重要である。
    エ 反対尋問
      反対尋問は,主尋問とは異なり,尋問者のためにある。
     その目的は自分の結論に向けて,事実を積み上げていくことにある。
      ここでは,尋問者がコントロール権を握り,
     クローズドな質問で誘導しなければならない。
      その際,1つの質問で1つの事実しか聞いてはならない。
      質問は端的に,修辞を用いず,明確にする。
      一般から細部に,有利な点から不利な点に,尋問を進めていく。
      自己矛盾供述の弾劾は3C(Commit: 肩入れさせる, Credit: 信用付与,
      Confront: 対面させる),重要事項の欠落を指摘するには3C+I(Commit,    
      Importance: 重要性の指摘,Credit, Confront)  
   オ 冒頭陳述
      冒頭陳述ではストーリーを語れ。
    それは,弁護側のケースセオリー=テーマの
           サマリーを裁判員に示すことである。
    ドラマチックで注目度抜群のつかみから,幅広い事実で詳細を広げ,
    最後に裁判員に無罪の必要性を訴えて,弁護側への投票を祈る。

2010年1月6日水曜日

NITA研修

明日から土曜日まで,大阪弁護士会で行われる,
法廷弁護技術の研修に傍聴参加してきます。
本場アメリカからNITA(National Institute for Trial Advocacy)の
講師が来る機会なんて鹿児島じゃまずあり得ないですからね。
同時通訳機が貸与されるので,これも初体験で楽しみです。

鹿児島県弁護士会からは1人分だけ旅費が出るのですが,
結局希望者は僕だけでした。
ま,イソ弁は刑事弁護の研修で2日もさぼるのは気が引けるだろうし,
中堅どころ以上はお忙しいでしょうしね。
こういうときにホイホイ行けちゃう自由度がノキ弁の数少ない利点ですね。
まぁ,結局起案間に合わなかった一件は持って行く羽目になりそうですが。

夜は大学や修習の同期との予定を入れたし,
ついでに実家にも寄って,梅田で買い物してくるつもり。
阪急メンズ館ってどんなんでしょうな。
こちらもまた楽しみです。

でわでわ。

2010年1月4日月曜日

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
(もう4日ですが・・・。)
今回の年末年始は31日と2日が通常国選待機だったので,
ひとり鹿児島で過ごしています。
ちなみに結局呼び出しはありませんでした。
大晦日は本庁の1番だったので,覚悟していたのですけどね。

思い返せば,去年の今頃もひとり鹿児島で過ごしてました。
年明けから始まる仕事のプレッシャーが大きく,
あまり余裕はありませんでしたが,
帰郷した旧友と大晦日元旦と飲み歩いてたような記憶があります。

学生時代は自然と年度で考えていたのか,
あまり新年って感じはなかったのですが,
1月から仕事を始めたのと,税務上の区切りということで,
またこの1月から2周目スタートという気分です。

1年前と今を比べて何が違うか。
1 民刑合せて53件受任。うち25件終結。
2 81冊の本を読了。
3 20以上の研修に参加(独習含む)。
4 コペンとBoseのCDプレイヤー購入。
挙げてみるとこんなところかと。

1はやっぱり絶対量が足りないと痛感します。
その分じっくりやれて良いのだけれど,
今年は効率を上げて数をこなしたいですね。
まぁ,奄美に行けば嫌でもそうなるのでしょうが。

2もやっぱり少ない。
せめて100冊は読みたいところです。
仕事が詰まってくると余裕がなくなるのよね。
しかし,これは朝4時に起きれば解決する問題なのです!!
あと,2,300冊のマンガを読んでいるので,
これを自分の中でどう位置付けるかですな。

3は1が少ないことの反映です。
今後は機会が減ると思うので,
いかにオンラインを活用するかということが課題。

4はまぁ,収入に見合った生活ということで。
次の目標はお掃除ロボット「ルンバ」です。
しばらくかかりそうですが・・・。

こうして挙げてみると,1年前考えていた資格取得ができていないのが痛いですね。
TOEICは受験したものの準備不足から低スコア。
簿記2級は出願したのに受験せず。
結局,仕事しながら(法律以外の)勉強時間を確保できなかった訳ですね。
これも今年の課題。

まとめると,今年の課題は。
1 仕事の効率化=量の増大
2 読書の習慣化→朝4時起
3 法律以外の勉強の習慣化→取得資格の明確化
といったところです。

もちろん,これに加えて,新事務所開設&運営というハードな課題もあります。
いずれにせよ,時間を如何に有効に活用するか,
そのための仕組みづくりが引き続き直面する問題です。

では,今年もよろしくお願い致します。

フォロワー