鹿児島で働く新61期のノキ弁が,仕事や法律について考えたことを吐出します。                         有用なアウトプットを生産すべく試行錯誤の日々の記録です。

2009年3月31日火曜日

時間割

なんだか小学生みたいな響きですが,大人にこそ時間割が必要です。
とはいえ,分刻みのスケジュールは逆に集中力を削ぎます。
そこで,一日を4つか5つくらいのセグメントに分けて,
そこで取り組むべきメインタスクを決めます。
★例えば僕の場合
 7:00- 9:00 集中して取り組むべき仕事 ex.訴状,準備書面作成 
 9:00-12:00 人と合う/話す仕事       ex.電話,打合せ,相談,期日
13:00-16:00 比較的単調な事務仕事   ex.定型的な書面作成,調査,発送・提出作業
16:00-18:00 締めくくりの仕事         ex.スケジュールの確認,帳簿付け,このブログ
というのが,理想の時間割。
そもそも突発仕事が多いうえに,朝弱いのでなかなかこの通りには行きませんが,
枠が固まるだけでもだいぶまとまりが出るような気がします。
ひとつのセグメントを50分やって10分休むサイクルで回せば,
自分の仕事の早さに驚くこともしばしば(笑

 結果=仕事の質×仕事の密度×仕事量(鮒谷周史『しごとは掛け算』)

仕事の質が,社会的影響を意味するとすれば,
この掛け算の中で,現状の自分がいちばん上げられるのは密度です。
そのためのタイムマネージメント。
まだまだ試行錯誤ですが,枠は固まってきた気がします。
後は実行あるのみ。

もうひとつ,同書から印象的な言葉を。
毎日前日比0.1%を積み重ねれば,1年後には44%にまで増えるとか。
やるしかないですよね。


2009年3月29日日曜日

Tough Lawyer

調子に乗ってもうひとつ最近感じることを。
現実逃避でもありますが(爆

威張れることではありませんが,
僕は昔からそれほど体力がある方ではありません。
受験中は皇居の周りを走ったりしてましたし,
仕事を始めてからは週1で加圧トレーニングに通ってはいますが,
「体力には自信があります!!」という体育会系なタイプではありません。
でも,仕事をする上での「体力」って,
ちょっと違うもののような気がします

弁護士の仕事にも色々あって,
特に僕のようなノキ弁は細々とした事務処理にも
ある程度時間を取られてしまうのですが,
いちばん体力の消耗を感じるのが法律相談です。
(法廷での尋問も相当しんどいと思いますが,
本格的な尋問はまだ未経験なので。)

たとえば,鹿児島では法律相談センターという制度があって,
弁護士会以外にも県内の市役所やなんかに出張で相談に行きます。
だいたい,30分6コマなので,合計3時間。
それ以外にも,先日は事務所で新件の相談が3件入ったのですが,
それぞれ1時間ちょっとずつで,連続ではないにせよ合計3時間超。
今の自分には,これ以上はちょっとしんどいというのが正直なところ。

でも,修習中にお世話になった奈良事務所のボス弁は,
(おそらく)50代後半にもかかわらず,
連日4件とか5件とか相談を受けてました。
もう,ホントに日中はずっと相談ってくらい。
自分が弁護士として相談を受けるようになって,
その凄さを身をもって感じています。
もちろん,僕とは経験も知識も桁が違うので,
1件1件の消耗度は少ないのでしょうが,それでも凄いと思います。

こういう仕事をする上での「体力」は,
フィジカルなトレーニングだけでは養えないんでしょうね。
フィジカル+メンタル+αなもののような気がしてます。
フルマラソンは走れなくても,弁護士としてタフになりたいものです。

悩ましきかなiPhone

【今回はほとんど思考メモなので,読み飛ばしてください。】

前回Google Calnenderの導入について書きましたが,
これはiPhone導入への布石でもありました。
導入計画は先月から検討してきたもので,
これを実行に移すべく,前回の投稿後softbankショップへ向かいましたが,
結局手ぶらで帰ってきました。
これで都合2回softbankショップへ足を運んでいながら,
自分の中で何かが引っかかって躊躇してしまうのです。

最初はランニングコストがネックだと思っていたのですが,
きちんと調べてその問題は一応クリアしました。
昨年11月から2年契約しているEMOBILEをどうするかについては
まだ検討中ではありますが(auの携帯は今のところ変えるつもりはありません),
これを維持するとしても負担は可能な範囲と考えています。
でも,実際にiPhoneを手に取るとまた何かが引っかかる・・・。

その原因はおそらく,「本当に使えるのか?」という疑念が拭い去れないこと。
3年弱使ったWILCOMのWZERO3[es]に限界を感じて,
今年から紙の勝間和代手帳に切り替えたという経緯があるので,
PDAとしてのiPhoneの性能を信じきれない面があるのです。
特に,入力がタッチパネルなのが気になる。
周りにはあまりユーザーがいないのですが,
使っている人は皆高評価です。
それでも,ねぇ。

あと,グーグルの「アンドロイド」の日本での動向も,
信者としては多少気になるところではあります。

また,より感覚的な問題として,
apple製品に対するステレオタイプ(=趣味的)というのも考えられます。
別に積極的にMS/Windows信者ではありませんが,
今までMacを購入したことも,真剣に検討したこともないのは事実。
iPodもデザイン性は認めますが,
他社製品と比較すると性能と価格が釣り合っているとは思えません。
だから,ホントにiPhoneでなきゃ自分のニーズが満たされないのか?
という思いはなかなか拭い去れないのです。

しかしまぁ,使えるかどうかは使ってみなきゃ分らないし,
アンドロイドの普及もまだしばらくかかるでしょう。
他の選択肢は[es]を切るときに散々検討して,
結局Windows Mobileではどうにもならん,と判断したはず。

こうして考えてみて気付いたのは,
逆にiPhone導入の動機は何かということが
明確になってないということです。
確かに,Google Calenderとの同期で紙の手帳を捨てて,
メールもWebもどこでもチェックできるのは便利なように思えます。
でも,現状の体制で問題があるかと言えば,
そうでもないというのが正直なところ。

確かに,紙の手帳とGoogle Calenderとの併用は無駄にも思えますが,
バックアップと考えれば,あながち不合理でもない気もします。
Google Calenderに一本化しても,
定期的にハードコピーに落としておく手間はかかるわけだし。

メール&Webについても,(今のところ)事務所にいる時間が長いので,
モバイルの重要性はそれほど高くない。
出先での作業が必要だとすれば,結局PCが必要になるし。

と,ここまで書いてみて,ようやくスッキリしました。
仕事に関しては,今すぐ必要ではないということですね。
経済的に余裕があってオモチャとして導入するならともかく,
今の自分には贅沢品というところでしょうか。

これで懸案がひとつ片付きました。
やっぱり文章化は大事ですね。

2009年3月26日木曜日

アンチFAX

ご無沙汰です。
最近職場にグーグルカレンダーを導入しました。
うまくいけば,スケジュール管理が効率化されるはずです。
iPhoneも導入しようかと計画中であります。

しかし,この業界は未だに紙ベースで回っており,
色々な連絡がFAXで送られてきます。
もちろん原本が紙である以上,ある程度は仕方がないのでしょうが,
事務連絡くらいメールベースに移行すべきではないでしょうか。
FAXを使い続ける積極的な意味は僕には見出せません。
誤送信の危険はFAXでも同じだし,
使い回しが気になるなら,PDF化して添付すれば良い。
弁護士会から回ってきたFAXにFAXで返信すると回線がふさがってて繋がらない,
なんてあほなこともなくなります。
てか,そもそもそんな形で出欠を採ること自体がナンセンスでしょう。
弁護士会業務の効率化は本気で考えた方が良いと思います。
単位会は小所帯で予算も限られてるでしょうから,
日弁連あたりがPT組んで弁護士会の基幹システムを外注しちゃえばどうなんでしょうね。
だれか本気で考えてるのかな?
いまどきFAXで日弁連NEWSとか送られてくると,ちょっと萎えます。

なんてことを総会で提案する度胸もないのでここに書いてみました。
僕らの期が権力を握るときが来れば,実現できる,のかなぁ。


2009年3月11日水曜日

プレゼンとしての尋問

先日,国選事件で,初の尋問を経験しました。
模擬裁判ですら尋問役はやったことがなかったので,
まさにぶっつけ本番です。
当日の朝まで尋問事項を詰めていたのですが,
公判では緊張してしまい,準備を活かしきれませんでした。

反省点としては,
①質問はコンパクトに,
②獲得目標を意識する,
③声や動作をコントロールする,
といったところでしょうか。

①と②は,事前に尋問事項を考えているときは当然意識しています。
ただ,これが実際に尋問する段になると,無駄に説明的な言葉を加えてしまったり,
被告人の答えに気を取られて,獲得目標を一瞬忘れてしまったりしてしました。
慣れの問題とはいえ,反省してます。

③は視覚・聴覚情報を意識するということですが,
尋問だけでなく弁論においても,重要となってくると思います。
鏡の前で練習するということが,本気で必要かもしれません。

こういう尋問技術は弁護士プロパーだと思いますが,
広い意味でのプレゼンに含まれると考えれば,
ノウハウを共有することは可能だと思います。
弁護に役立つプレゼン術や弁護から学ぶプレゼンの極意など,
双方向のコミュニケーションが生まれたら楽しいですね。

2009年3月5日木曜日

距離と役割

最近ボスから「入れ込みすぎるな」との助言を頂くことが何度かありました。
時には突き放すことも必要とのこと。
25年以上弁護士をやってる先達の言葉には説得力がありますが,
実践となると難しい・・・。

何故難しいのか少し考えてみると,
弁護士の役割というものに対する自覚が薄いことが原因ではと思い当たりました。
弁護士は法律的な問題を解決するのが仕事であって,
生の問題をまるごと抱え込むものではない。
でも,依頼者の直面する問題というのは,
ココからココが法律問題です,という形ではもちろんない。
そもそも,何が問題なのかすら,分らない段階から始めることも,
それほど珍しくないのです。

そんな問題を扱うとき,
事実レベルで問題を把握して,法律的な解決の可能性を選び出す。
この法律家として当たり前の作業をどこまで意識できるか。
それが今の課題なのだと思います。

そう考えると,悩み相談的に依頼者の話を聞いてしまい,
予定時間をオーバーしてしまうという別の悩みも,
原因は同じなのでしょう。
加えて,そういう共感を重視した相談姿勢はそれ自体,
過度の入れ込みを生む原因ともなります。
どちらも自覚の問題。

ただ,信頼関係の形成にはある程度共感的コミュニケーションも必要な訳で,
そのバランスは結局のところ個性と経験によって決まってくるのでしょうね。
それでも,弁護士はカウンセラーではないという線引きは,
意識しておこうと思います。

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