鹿児島で働く新61期のノキ弁が,仕事や法律について考えたことを吐出します。                         有用なアウトプットを生産すべく試行錯誤の日々の記録です。

2009年2月24日火曜日

締切の重要性

今日は準備書面の締め切りで,無事?提出しました。
このところずっと取り組んでいたのですが,
(そればかりやっていた訳でもないですが)
結局ギリギリになってしまいました(汗
ちなみに,ここで言う締切は,裁判所が指定するもので,
大体,次回期日の1週間前です。

先週月曜日にドラフトを上げて,
水曜日に依頼者と打合せをし,
その間ボスの意見も仰ぎつつ,
自分の中の締切である今週の日曜日にはほぼ完成してました。
(そもそも,日曜日に仕事をしなければならないこと自体問題ではあるのですが)
ところが,①一太郎の操作に不慣れなため書式を整えるのに手間取ったのと,
②眼を通すたびに手を入れたくなってしまったため,
提出は今日まで引きずってしまいました。

①も致命的ですが,これはまぁ,勉強するしかない。
より深刻な問題は②だと思います。
もちろん,言葉で相手を説得するのが我々の仕事なので,
文章を練ることも大切ですが,あまり細かく日本語にこだわりすぎると,
いつまでも完成しない=仕事が遅れることになります。
僕の場合は法律の勉強と同じくらいの期間,
アカデミックな論文を書くトレーニングを受けてきたので,
そのクセが抜け切れていないのかもしれません。

とにかく,自分の設定した締切を墨守して,
そこまでに提出可能な状態に仕上げることが先決。
その上で,余裕があれば手直しすればいいし,
多くの場合,明らかなミスの修正でなければ,
むしろ早く出してしまった方が良いかもしれないと思いました。
クオリティとスピードのバランスをどう取るか,
今後のそしておそらく永遠の課題ですね。

2009年2月19日木曜日

セカイとストーリー

先週暖かくなったと思ったら昨日くらいからまた寒くなりましたね。
三寒四温ってやつですか?

さて,僕はもともと人文系で現代思想が専門だったので,
プルラルな思考とか価値観の多様性とかに,
割と慣れ親しんでるつもりでした。
ところが,弁護士としていろいろな依頼者と会って話を聞くと,
完全に見えている世界が違う,そう感じることがあります。
こんなとき,自分の世界がいかに狭かったかに気づかされます。
これまで他説や他者だと思っていたのは,
結局のところ自分にとって理解可能なものでしかなかったということでしょう。

この世界の違いにどう向き合うか。
もちろん今の僕にすぐに答えが出る問題ではありません。
少なくとも,自分の価値観を押しつけたり,
そうでなくとも,相手の世界観を変えようとしたりすることは,
弁護士の役割ではないとは思います。
(少年事件の付添人の場合はやや事情は異なるかもしれませんが。)
かといって,相手の価値観・世界観をまるごと理解して,そのまま受け入れることも,
カウンセラーではない弁護士にとっては荷が重いように思います。

今,僕が何となく感じているのは,
こういう場合,弁護士と依頼者との間を繋ぐのは,
ストーリーなのではないかということです。
異なる価値観と独自の世界観を有する諸文化の神話にも共通の型があるように,
それぞれの世界に生きる依頼者と弁護士であっても,
ひとつのストーリーを共有することなら,可能なのではないか,と。
もの凄く漠然とした仮説ではありますが(汗

今日はひとつ嬉しいことがありました。
以前,対価性について書いたときの相談者がわざわざ事務所にお礼に来られました。
実は相談の数日後にこちらから電話をして進展をうかがってはいたのですが,
まさかご挨拶にみえるとは思ってませんでした。
相談料を頂かなかったことで,かえって気を遣わせてしまったのかもしれませんが,
相談だけで終わらなかったことにじんわりと喜びを感じています。

2009年2月12日木曜日

ノキ弁とは(今更ながら・・・)

このブログは「ノキ弁日誌」というタイトルで始めましたが,
ノキ弁という言葉はあまりポピュラーではないようで,
ググってみるとこんなブログでも結構上位に上がってびっくりしました(汗

そこで,今更ですが,ノキ弁について簡単に説明します。
この言葉は「軒先を借りる弁護士」=「軒弁」に由来するとされています。
弁護士の勤務(雇用)形態を表す言葉のひとつです。
似たような言葉で,ボス弁(=経営者弁護士),イソ弁(居候弁護士=イソ弁,
なんてところは聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
ちょっとした規模の事務所(主に企業法務系)だと,
ボス弁=パートナー,イソ弁=アソシエイト(アソ)なんて英語呼称も多いですね。
また,最近では,自宅開業弁護士=タク弁なんてものまで出てきているようですし,
ちょっと違ったカテゴリーとしては,
登録して即独立する(=ボス弁になる)ケースを,
「即独(ソクドク)」と呼んだりします。

自分で事務所を経営するボス弁と,
給料をもらって事務所(=ボス弁)の仕事を処理するイソ弁の関係は,
一般的にも分かりやすいと思います。
ノキ弁は事務所に机はありますが,ボス弁から給料を貰わず,
自分の収入で生計を立てます。
イソ弁も徐々に事務所以外の事件(=個人事件)を増やしていくことになるのですが,
ノキ弁は全て個人事件というわけです。

とは言え,最初から仕事が来るわけでもないので,
大抵ははじめのうちはボス弁から仕事を回してもらうことになります。
その他,事務員さんにどこまで手伝って貰えるか,
備品や消耗品をどうするか,それに伴う経費負担などは,
各人それぞれがボス弁との協議で決めることになります。
僕の場合は,結構事務所のお世話になっている方だと思います。

ノキ弁という勤務形態は現在メジャーではありませんが,
司法試験合格者の増加に伴って,
今後増えていくことは確実だと考えられています。
では,就職難を乗り越えるために急遽考えられたものかというと,実はそうでもなく,
地域や時代によっては当たり前だったりもするようです。
(ソクドクについても当然とされる地域もあるようです)
特に地方では,まだまだ弁護士不足なので,
売り上げが全部自分に帰属するノキ弁の方が,
給料が決まっているイソ弁よりも稼げるという話も聞きます。
現在の鹿児島市内でこの理屈が当てはまるのか否かは,
今後僕が実証していくことになるわけですが(笑

ノキ弁もイソ弁も弁護士であることには変わりなく,
その実態もそれぞれですので,
依頼者の側からそれほど気にすることはないと思います。
ただ,そいういう形態もあるんだと頭に入れておかれれば,
無用の誤解は避けられるかもしれませんね。

2009年2月10日火曜日

対価性の問題

こんばんは。
例によって不定期更新です。
ここ数日体調悪くて寝込んでました。
この仕事,体が資本と痛感しました。
少々休んでも誰も何も言わないけど,
誰も代わってはくれませんからね。
事務所に出てみると思ったより仕事(主に事務処理)が増えてなくて,
ほっとするやら寂しいやら。

さて,今日は法律相談料について。
ご存知の方も多いかと思いますが,
一般的に5,250円/30min(tax in)とされてまして,
僕も基本それで受けます。
今日の方も,有料相談ということで予約を入れました。

ところが,話を聞いてみると,法的アドバイスというよりは,
事実上のアドバイスというか心構えというか,
そんなことしか申し上げられない事案でした。
もちろん,今後問題となりうる法的問題は指摘しましたが,
それもまぁ,今の段階で対処を誤らなければ,
現実化することはほぼない類のもの。
しかも,本人も対処については方針を固めてきていたので,
最終的には,「その方向で頑張ってください」という話。
こんな感じで約30分です。

さてここで,相談料は何の対価かという悩みが立ち現れます。
迷わず,「時間」と言えるなら,悩みはしない。
事前の約束通りの料金をいただきます。
「知識」とするとちょっと悩むかな。
でもまぁ,法律的な問題ではないという回答も,
法的知識に裏付けられていると考えれば,積極ですかね。
そう,別に悩む必要はないはずなんですよねぇ。

でも,今日その場にいた僕は,一瞬悩んで,
結局無料にしてしまいました。
これが良かったのか悪かったのかは分らない。
ただ,自分が相談者だったとして,
果たしてその料金は妥当と考えるかと思うと,
ちょっと自信がなかった。
こんなんで画一的に金取るの?と,頭の中の自分が囁いた。

もちろん,「せんせい」のときに書いたように,
相談者は安心を求めて来る訳なので,
きちんとお金を頂いいた上で責任を持って回答するのも,
あるべき姿なんだとは思います。
いや,今回は責任逃れをしたとかいう話ではなく,ね。

(ちなみに,相談者の資力に問題がある場合には,
 また別の悩みが生ずるのだが,それはさておき。)

って,完璧に尻切れですが,結論出そうにないのでこの辺で(汗
また同じような悩みに直面したらもう少し進めるかもしれません。

末筆ながら,最初の読者になってくれた奇特な貴方,
ありがとうございます。
見つけたとき,思わず我が目を疑いました(爆
今後ともよろしくお願いします。

でわでわ。

2009年2月4日水曜日

しんぶんし

ごめんなさい,相変わらずほったらかしですね(汗
時間をとって立て直しって,なかなか難しいみたいです。
クリエイティブな時間をどれだけ確保できるか,
タイム&タスクマネジメントとすきま時間の活用が今の課題です。

さて,今日は新聞の話。
僕は今日経と南日本という地方紙の2紙を取ってます。
東京にいると分からないだろうけど,
地方で仕事するには地方紙読んでないとってところがある。
(東京だとそれが日経なんだろうけど。)
特にこういう仕事だと,地方紙の世界は凄く近い。
朝,「こんな事件あったんだ」,なんて思ったら,
夕方にはその被疑者とアクリル板越しに顔を合わせる可能性も。
そうでなくとも,地方は狭いし,色んなことが関わってきます。

他方,地方で読む日経は,すごく遠い気がする。
もちろん,東京で読んだって,ビジネスの世界にいなければ,
世界経済は遠い場所の話に感じるんだけど,
鹿児島だと,もっと遠いんだな。何となく。
で,ちょっと冷たい感じもする。
日経好きだったんだけどなぁ。

だからって訳ではないけど,
今日は日経にメールしてみた。
ちょっとこの記事(事実レベルで)おかしいんじゃないの?って感じで。
単なる知識不足なのかもしれないけど,
あえて,誤解を助長してるように思えなくもなく・・・。
穿ちすぎといえばそれまでですが。

メディアの中立性なんて信じてないし,
それぞれの主義主張は尊重しますが,
新聞(しかも全国紙)なら事実と主張は分けて提示して欲しい。
影響力大きいんだからさ。
事実誤認のふりで主張を通すのは倫理違反ではないでしょうか。
今回の記事がその類でないことを祈りますが。

しばらくは,こんな感じでボチボチ書いて行きます。

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