鹿児島で働く新61期のノキ弁が,仕事や法律について考えたことを吐出します。                         有用なアウトプットを生産すべく試行錯誤の日々の記録です。

2009年1月29日木曜日

バーの向こう側

本日,法廷デビューしてきました。
とは言っても民事の第一回なので,答弁書陳述して,
今後の進行を打ち合わせるだけです。
時間にしてほんの5分程度。
正直,それほど緊張しなかったですね。
修習で初めてバーの向こう側に足を踏み入れたときのような感慨は,
もはやありませんでした。
その限りにおいて修習には意味があった。
中身はあんまり身になってないけど(爆

というのも,同じ書面作るにしても,
弁護修習で指導担当に出すのと,
自分の名前で裁判所に出すのとでは,
全く質が違うと感じているからです。
もっと真面目に修習やっとけば良かったと思わなくもないけど,
どれだけやっても1回の実務経験には及ばないんでしょうね。

ところでタイトルにも入れたバー(bar)とは,
お酒を飲みながら女の子を口説く場所ではなく,
傍聴席と法廷を隔てている棒(みたいなもの)のことです。
そこから転じて英語では「法曹界」というような意味もあります。
司法試験はBar Examだし,日弁連に相当する組織として,
American Bar Association(=ABA)があったりしますね。

閑話休題。
そんな訳で,弁護士として初舞台を踏んできたのですが,
まだ刑事未経験なので,半分だけって感じでしょうか。
周防正行監督の『それでもボクはやってない』の中で,
「民事はただの代理人だ。刑事弁護人をやってこそ弁護士だ。」
というような台詞がありました。
これにならえば,僕はまだ弁護士としての仕事をしていないことになりますね。

もちろんこの台詞は極論ですが,国家権力と対峙する刑事の仕事に,
在野法曹としての弁護士の原点があることは間違いないと思っています。
来月(もうすぐですね)からは,国選の配点も始まるので,
今は,その機会まで,ナイフを研いでおこうと思います。

あ,ブログの手直しはこの週末に何とか,
と思っております(汗

2009年1月20日火曜日

センセイと呼ばないで?

しばらくぶりです。
あっという間に3週目に突入してしまいました。
前回予告した内容は時期を逸した感があるので,
無期限延期で(爆
この間このブログが停滞していたのは,
仕事でバタバタしてたのもありますが,
そもそもの方向性とかコンセプトを練り直す必要があると感じたからです。
何せ,完全な見切り発車だったもので(汗
今月中には何とか目処をつけるつもりでおりますので,
もう少し時間をください(って誰も待ってないよね)。

さて,仕事の方は今のところ訴訟案件は離婚が1件のみ,
あとは破産1件と債務整理(ヤミ金)の相談が1件ありました。
ノキ弁として多いのか少ないのかは分りませんが,
こうして仕事が回ってくるのは,
弁護士の少ない鹿児島だからこそという気がします。

給料をもらって事務所の事件を処理するイソ弁なら,
最初からもっと多くの事件を振られるのが普通で,
同期ではいきなり立退き15件もらってた人もいます。
イソ弁ならボスか兄弁(事務所の先輩弁護士)のチェックがあるし,
具体的な指示もあるだろうから,何とかなるのでしょう。
でも,全部自分でこなすノキ弁の身では,
そんな件数持ったらあっという間にパンクですね。
正直,現状は売り上げ的には厳しいですが,
ひとつひとつをじっくり勉強できるのでこれはこれで良いかなと思ってます。

そんな訳で,実際にひとりで依頼者の相談を受けているのですが,
やっぱり弁護士は「先生」って呼ばれてしまうのですね。
僕は,受験時代から,依頼者には「「先生」は勘弁してください」
って言おうと考えてました。
弁護士同士が先生と呼び合うことについては,
新人であろうと一人前の同志として扱うという意味で,
悪くない慣習だと思うのですが,
報酬をいただく依頼者に「先生」と呼ばせることには抵抗があったから。

でも,実際の依頼者を前にして,その台詞は口にできませんでした。
弁護士のところに相談に来る依頼者,特に一般の方は,
本当に切羽詰った状況にあることが多いのです。
そんな人たちが,何とか助けてもらおうと,
それこそ藁にもすがる思いで僕の前にやって来きて,
僕のことを「先生」と呼ぶ。
それは,おべっかや媚びへつらいではなく,
心からの期待なのです。
そんな気持ちのこもった「先生」という呼称を拒否することは,
一種の逃げなのではないかと今は思っています。
(ちなみに,保険屋さんや車屋さんに「先生」と呼ばれるのは,
やっぱりひっかかります。)
自分は「先生」なんて呼ばれるほど偉くも(バカでも)ないつもりですが,
依頼者の前では,その期待にこたえられる
立派な「先生」として振舞うのが,誠意なのだと感じてます。

もちろん,この期待は,一般の人にとって,
弁護士へのアクセスがいまだ容易ではない状況が
生み出している面も多分にあります。
なので,マクロで考えれば,この状況を改善することで,
依頼者が「先生」と呼ばずに済む,
もう少し対等な関係の構築を目指すべきとも思います。
ただし,弁護士はかなりの部分信用商売なので,
完全な対等関係は成り立たないだろうと思いますが。

さぁ,明日も頑張ってセンセイやりますか。

2009年1月5日月曜日

本日開業です

ご無沙汰してます。
何とかこの日を迎えました。
改めましてよろしくお願いします。

さて,ホントは開業準備をライブでレポートしたかったのですが,
年末年始は大阪に行ったり小倉に行ったり,でバタバタしていたので(爆
この間の開業準備は大体以下の通り。

1   職印と銀行印の作成。
2 地元の地銀に営業用と預かり金の口座を開設。
3 市役所で電子証明書を登録。
4 税務署に「個人事業の開廃業等届出書」と「青色申告承認申請書」を提出。
5 弁護士会からバッジを受け取る(事務所に届いてた)。
6 会計ソフトの購入(まだインストールしてません・・・。)
7 細々とした備品の発注&買付
8 事務所への荷物(主に書籍)の運び込み。
9 挨拶状代わりの年賀状作成&発注。
10予習(汗)

こうして挙げてみると大したことないですが,
年末の慌ただしい時期に役所とか回ってると,
気ぜわしくて大変でした。
発注しても納品が年明けとかいうこともあったし。
準備は早めにしましょうね。
引越などはともかく,手続き的なものは計画的にやれば一日で終わるはず。
自戒を込めて。

ちなみに,開業前に絶対に必要な手続きは,
名刺の他,1,2,5といったところでしょうか。
税務署の申請も担当者の反応から察するに,
開業前に行くのは珍しいみたい。
青色申告の承認申請も3月15日だしね。

ただし,この仕事はなんと言っても書類仕事なので,
上記以外にも弁護士会やら法テラスやら,
色々と出さなきゃならない書類は多いです。
既に何枚署名&押印したことか。
この辺は仕事に直接関わってくるので,次回にお話ししますね。
でわでわ。



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